こんにちは、海星です。
世の中にはPREP法という便利な文章の型があります。
しかし、「PREP法の型通りに書いたけど、ぎこちない文章になってしまう」という方もいるようです。
今回は、ライティングテクニックとして有名な「PREP法」を例に出して、もう少し実践的な使い方を僕なりに考察していこうと思います。
PREP法とは
PREP法とは、文章の型のひとつ。次の順番で文章を書くと、簡潔でわかりやすい文章が書けます。
- Point:結論・主張
- Reason:理由・詳細
- Example:具体例
- Point:結論・主張
それぞれの頭文字をとって、PREPです。
この文章の流れを大まかに捉えると、
結論→詳細→結論
という感じになります。
「結論を述べたら、その詳細も続けて述べる」というのがPREP法の正体です。
PREP法のメリット
PREP法のメリットは下記のとおりです。
PREP法のメリット
- 短時間で相手に主張を伝えること
- 文章の執筆速度があがること
PREPに該当しない無駄な説明を省くことができるので、スッキリした文章になります。
そのおかげで、読者は短時間で内容を理解できます。
書き手としても、PREPの順番で文章を構成すればいいので、執筆速度が上がります。
PREP法の具体例
PREP法の具体例をいくつか提示します。
- P:ブログ記事は、読者が知りたいことを中心に書くことが大切です。
- R:読者が興味を持てない文章は、読んでもらえないためです。
- E:例えば、カレーの作り方が知りたいという読者に対して、ケーキの作り方を書いても読んでもらえません。
- P:読者の需要にマッチしていないと読まれないので、読者が知りたいこと中心に書きましょう。
- P:富士山を安全に登るために、正しい呼吸を意識しましょう。
- R:理由は、正しい呼吸ができないと高山病にかかりやすくなるためです。
- E:具体的には、二酸化炭素を吐き切ってから息を吸うことが大切です。これにより、肺に取り込む酸素量を増やします。
- P:高山病にかからないめにも正しい呼吸を身に着けておきましょう。
上記のような感じです。
こういった文章を10〜20個作ってみると、段々感覚がつかめてきます。
PREP法の通りに書きすぎると不自然になる例
僕が不自然だと感じたPREP法の使い方を見ていきます。
この型を使ってくれたライターさん(外注の方)が、下記のような文章を提出してきたことがあります。
- P:Aは、Bです。
- R:理由は、〇〇だからです。
- E:具体的には、〇〇ということが挙げられます。
- P:よって、AはBということです。
これだけ見ると問題ないのですが、1記事のほとんどが同じ言い回しでした。
ご想像のとおり、非常に単調な記事となってしまいました。上記はPREP法に関する解説サイトを参考に書かれたのだと思います。
もう少し自然に使える方法が必要だと思ったのでまとめてみたいと思います。
PREP法を自然に用いる方法
- P:Aは、Bです。
- R:理由は、〇〇だからです。
- E:具体的には、〇〇ということが挙げられます。
- P:よって、AはBということです。
上記の事例から、改善したほうがよい点をまとめてみます。
- 同じ言葉を繰り返さない
- PREPの各要素は、二文以上でも良い
- PREP法は何かを「論じるとき」に使う
同じ言葉を繰り返さない
同じ言葉は、繰り返してはいけません。
読者が下記のような違和感を覚えるためです。
- 単調で飽きる
- 手抜きっぽい
- 人間味が感じられない
上記のことから、同じ言葉はなるべく使い回さないようにしましょう。
とくに、「例えば」「理由は」といった接続詞に注意してください。
PREPの各要素は、二文以上でも良い
PREP法の各要素(結論や理由など)は、二文以上で書いても良いと思っています。
なぜなら、「Pで一文」「Rで一文」といった制限をすると、言葉足らずになるためです。
例えば、上述したPREP法の具体例では、「E」が2文以上になっていますね。
- P:富士山を安全に登るために、正しい呼吸を意識しましょう。
- R:理由は、正しい呼吸ができないと高山病にかかりやすくなるためです。
- E:具体的には、二酸化炭素を吐き切ってから息を吸うことが大切です。これにより、肺に取り込む酸素量を増やします。
- P:高山病にかからないめにも正しい呼吸を身に着けておきましょう。
もし「これにより、肺に取り込む酸素量を増やします。」がなかったら、「なぜ二酸化炭素を吐ききるの?」という疑問が解消されず、言葉足らずになってしまいます。
上記のことから、PREP法の各要素は「文章のまとまり」と捉えても良いです。
- P:結論のまとまり
- R:理由のまとまり
- E:具体例のまとまり
- P:結論のまとまり
「絶対に一文で書かなければ」という意識があると、伝えるべきことを抜かしてしまい、言葉足らずになる可能性があります。
もちろん、できるだけ短い文章で伝えるのは大切です。ですがそれ以上に、正確に伝えることを目指しましょう。
何かを「論じるとき」に使う
PREP法は、何かを論じるときに使います。
「今月の売上は94%も落ちた」「就活では資格があると有利だ」という結論に対しては、理由と具体例が必要です。
しかし、日記のように「論じる必要がないもの」にPREP法を使うのはおすすめしません。
- P:お腹が空いた。
- R:理由は、食べ物を食べていないからだ。
- E:具体的には、3日間、何も食べていない。
- P:よって、お腹が空いた。
上記のように、相手に理解してもらう、納得してもらうという必要がない文章には適しません。
「文章はすべてPREP法を使えばいいのだ」といった勘違いがこういった誤用を生み出してしまうんですね。
相手に理解・納得してもらうとき=論じるときにPREP法を使いましょう。
まとめ
- 同じ言葉を繰り返さない
- PREPの各要素は、二文以上でも良い
- 何かを「論じるとき」に使う
もちろん、上記の内容で例外もあると思います。
だから、ほんとうに覚えておきたいのは、
- 読者が知りたいことを、適切な順番で提示していくこと
ということだと思います。
そのヒントとして、PREP法があります。
文章の型は非常に有用です。しかし、本質は読者とのコミュニケーション。相手に違和感を感じさせるのであれば、それは型の使い方としては失敗です。
型に飲まれて本質を見失わないように文章を書きましょう。